苦しみ悲しみを乗り越えるには

苦しみ悲しみを乗り越えるには 


人生には苦しみがつきものです。これを「四苦八苦」といいますね。 
最初の「四苦」は、生・老・病・死の四つの苦しみをいいます。
老いること、病むこと、死ぬことが人間の基本的な苦しみであることは、誰にでもすぐに納得できます。
しかし、仏教ではこれに生まれることの苦しみを加えています。これはお釈迦さまの生きていた時代は医療が行き届いておらず生まれることも大きな苦しみと考えられてきたからです。
この基本的な四苦に、あと四つの苦が追加されると八苦になります。
そこから「四苦八苦」の言葉ができたので、合計して十二苦になるのではなく全部で八苦なのです。
追加される四苦は、「愛別離苦(あいべつりく)」〜愛する人と別れる苦しみ、「怨憎会苦(おんぞうえく)」〜怨み・憎む人と出会う苦しみ、「求不得苦(ぐふとっく)」〜求めるものが手に入らない苦しみ、「五陰盛苦(ごおんじょうく)〜人間の心身の感覚器官から生まれる苦しみ、の四つです。
どの苦しみも時代を超えて現代人である我々も感じている苦しみだと思います。仏教のテーマはこの苦しみから如何に離れるか、乗り越えるかがテーマであると言って良いでしょう。仏教の教えは人々の状態に合わせて八万二千法門があると言われておりますが、心理学的な効果も交えて三つご紹介しましょう。

① 涙を流す

泣くということは心を洗い流すことです。カタルシス(浄化)が起きると言われています。つらかった過去を清算し、解決するその時、涙が流れカタルシスが起こります。心の中の何かが解決するのです。それは幼少の頃からのトラウマかもしれませんし、もっと身近な不満かもしれません。それが解消されます。逆に言うと、どんな事でもいいので涙が流れれば効果を発揮します。ですから感動する音楽を聴くとか、泣ける映画を観るとか、切ない漫画や小説を読むなど、涙を流して思い切り泣いてみるとスッキリするのです。

② 祈りを捧げる

人々の幸せを祈ることは自分を肯定することになります。目の前にいる人は他人と思っていても自分で解釈した、自分の心の中に映された自分の分身と言えるものです。特に無意識は自分と他人との区別をしないと言います。ですから他人を呪い恨むとそれは自分を呪い恨むのと同じになり良いことは起こりません。逆に人々の幸せを祈ると自分を肯定することになり、心が晴れやかになります。仏教では慈悲の瞑想が良いとされていますので実践されると良いでしょう。詳細は『れんげ』26号か、YouTube法話をご覧ください。

③ 時間が解決する

月並みな表現ですが、時間が解決してくれます。小学生の頃に悩んだことは大人になると大概はどうでも良いことになります。青年時代の悩みも、壮年になると懐かしい思い出になります。時間の経過は本人の社会的役割が変化し、心境も環境も激変します。大概の問題は時間の経過ととも収束してゆくのです。


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