マインドフルネスと止観の違い
近年、科学的な方法で上座部仏教の瞑想法を解析して、宗教的な要素を排除し、効果を科学的に測定することでシンプルな瞑想法として確立した「マインドフルネス」が流行っています。
マインドフルネスは表現が現代口語であるのでわかりやすく、また科学的なエビデンスがあるのでアメリカの企業でも社員のパフォーマンスアップのために導入されています。
マインドフルネスと天台の止観とどう違うのですか、と聞かれたのですが、
基本的には同じ坐禅です。技術的には変わりありません。
ですが、マインドフルネスは天台止観で言う「仮観(けがん)」に分類されます。
仮観とは、一般世間の常識の範囲内の観法というものです。
マインドフルネスでは、リラクゼーション、またお仕事のパフォーマンスを上げたり、健康的に生きるために行われています。全ての存在は意味があり、実在しているという価値観で行われています。これは「仮観」です。
仮観では悟りは開きません。より良く生きるという点では効果があると思いますが、偏った価値観です。
天台教学では、「仮観」と「空観」と「中観」を立てます。真理に至るには、この三つのバランスが大事なのです。
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