宗教と芸能は一体です。
芸能の原点を廻ると、必ず宗教に行き着きます。
漫才はもとは門付万歳であり、正月にその家の繁栄を祈念するために目出度い言葉を歌うようにして唱えていました。その起源は山伏の祭文であると云われます。
落語は浄土宗の僧侶策伝が面白可笑しく説法をしたのが始まりで、廃寺にやって来ては人を集めて説法で笑わせて勧進をして寺を復興して歩いた人です。
歌謡曲は、浪花節や浪曲などの歌謡から発展しました。浪花節は「阿呆陀羅経」など山伏の芸能、各宗派の御詠歌、また浄土真宗の節談説法などから発展したものです。
御詠歌は世俗化されたお経であり、修行です。もとは声明(お経に節をつけたもの)です。
考えてみればどんなエンターテインメントでも、人々の幸せ、人生の苦難を乗り越える、人間愛、自然愛、そういう宗教的なテーマが底辺になければ、ただのドタバタに終わり観ても観なくても同じバカバカしいものになってしまいます。
こうした視点で芸能を味わうのもまた一興ですよ。
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